「ゆるい」を構築すること。無意識に押し付けないこと。(ゆるい公務員レポ)

こんにちは、森一貴です。

先日(10/11)、鯖江市で開かれた「ゆるい公務員」というイベントに参加したら、
教育に関する示唆がめちゃあったのでメモ。

①ゆるい公務員って何
②JK課インターンで何したか
③インターンを通じた公務員へのメッセージはなんだったか
④インターンを通じて俺が受け取った示唆はなにか

①ゆるい公務員って何

アンダー35の全国の地方公務員が集まって、
なにやら毎年わいわい勉強会してるらしく、その一環だそうです。
で、ゆるい公務員って何かというと、
鯖江市って、JK課とか、俺が参加しているゆるい移住とか、
わりと「ゆるくねそれ?」という視点でまちづくりをしていて、それが結構成功してるので、
その考え方とかを学ぼう!みたいな。

今回はメインイベントとして、
「JK課インターン」ということで、JK課の実際を経験できる機会がありました。

②JK課インターンで何したか

■お題
JK課インターン企画は、10:00~16:00までの6時間、
鯖江市を自由に回って「鯖江市になにかいいことをする」
というのが今回のお題。
ルールは3つ、
・JK課インターンらしいことをする
・鯖江市になにかいいことをする
・JKがたのしい
とのこと。

■お題の目的
「やること」を見つける、ってところが今回のポイントで、
「JKの発案を待ち、それを活かして何かしよう!」というのが裏テーマ。
簡単に説明すると、

1)JK課って
JK課って、ゆーて「私はまちづくりに興味があります。具体的には、こういう風にすべきだと思います。」
っていうガッチリしたメンバーはいなくって、
まじでJK、具体的にいうと「キモいんだけど」とか、ずっと髪とiPhoneいじってるとか、そういうメンバーばかり。
だからJK課では「やりたいことない!?探そうよ!さあブレストだ!」
じゃなくて、JKメンバーから「これおもしろそーじゃね」っていう声が出てくるまで
ずっとゆるーいミーティングを重ねてるんだそう。
結果、「あこれ楽しそーじゃね?」ってところをうまく拾い上げて、事業化している。

2)目的
そんなJKメンバーからぽっと出てきた声を事業化すると、結構うまくいってんだよね~というのは鯖江市の弁。
そういう「待ち」の感覚を体験してほしいんだよね~みたいなのが今回の企画の趣旨(と理解しました)

■やったこと
みどりんと久保さんと一緒のグループになり、鯖江市内に繰り出し。
俺のグループでは、
「何したい?」「はしゃぎたい!50m走したい」→全力疾走
とか、とりあえずのっかってみるみたいなことをして。
とはいえ、「鯖江市にいいこと」がイマイチ思いつかず市内をフラフラ、
最終的に「まるサバ」(マルシェ@鯖江)にたどり着き、そこでやっていた募金活動の手伝いをしました。
ついでに、そこらへんで整体のお店とかを見つけたんで、それに着想を得て肩もみ募金として、
肩もみをするから募金をして、というか、募金をしてくれたら肩もみをするよ~というか、
とにかく、「募金をするとJKから肩を揉んでもらえる」ということをしました。エッチだよね。

③インターンを通じた公務員へのメッセージはなんだったか

以下考察です。
■メッセージ
今回は、鯖江市のJK課の運営方法、どうJKの声があがってくるか、そのためにどういう環境を作ってあげるか、
そういうところをインターンで体験してほしかったんだと思ってます。

そのメッセージは、以下だと解釈しました。
⇒地方行政は市民のリアルな声が聞けてない。
「リアル性の重視・関係構築・待つ」ことを通じて、リアルな声を聞ける行政になるべき。

■リアルな声が聞けてない、ってどういうこと
今はどの地方も「市民主体の行政」みたいなスローガンを掲げてます。
それを実現するために、例えば市民が参加できるワークショップをやってみて、
「今ウチにはこんな課題があります」「対応策をブレストしましょう!」「あ~これいいですね!」
それをとりあげて事業化してみて「市民が参加しています!」と言っている。
それじゃだめでしょうと。

市民の日常の「この状態、おっかしーな」っていう声って、市自体の課題とはレベル感も方向性も全然違う。
また、WSとかっていう空間はあまりに非日常的で、更にそこに参加しているのは地域行政に熱意にある人たちだから、
そういう場で出てくる「市の課題への対応策」は市民のリアルな声とはかけ離れてしまうことが多い。

■どうやってリアルな声を聞くか
じゃあどうやったら市民の「日常の状況にある」「日常の声」を聞けるか?
その一つの対応策が、鯖江市の場合はJK課なんだろーなと感じました。

JK課では「リアルな声」を集めるために、すごい努力をしてます。
いくつかキーワードとして提示されたのが、例えば以下。
・リアルな状態にしておく
(iPhoneをいじっていい、成果は出さなくていい、レポートとかも不要、
とりあえず集まってお話する。)
・なんでも言いあえる関係性を構築する
・待つ

各地方行政も、JK課ではなくとも、
本来はそういう「リアルな」場の中からリアルな声を集めていかないと、
ほんとうの意味での「市民主体」にはならない。
だから、「リアル性の重視・関係構築・待つ」ことを通じて、
各地方でも、「リアルな声」をきちんと拾い上げてようよ、
ということなんだろうと感じました。

④インターンを通じて俺が受け取った示唆はなにか

翻って教育の視点で、生徒自身がやりたいことを言えるために、
「リアル性の重視・関係構築・待つ」ことができる先生がどれだけいるんだろう?と考えた結果、
受け取った示唆が以下の2つ。
・「活発な議論」ってやつのために、もっともっと授業を「授業と授業の間」みたいにしたいなと思った。
・常に「今、考えを押し付けていないか?これは本当に生徒自身の言葉なのか?」と自問自答しなきゃなあと思った。

さて、最終的に今回のゆるい公務員のメッセージは、JKが「やりたーい!」って言ってやれるようになるために、
「リアル性の重視・関係構築・待つ」ことが大事だった、ということでした。
さて、今回のインターンで、それができていたかな?
俺のグループでは肩もみ募金をしたけど、きちんとJKたちの声を聞けていたっけな?というと、
できてなかったなーとおもった。

肩もみも、募金も、「これやるのはどうかな?」ベースで起案し、
場の空気全体として、「それなら(妥協案として)良さそうじゃん!」という集団的な雰囲気を作り出してしまった。
それって、ゼロベースでJKから見ると「は?なにそれ、つまらん」っていう企画だったかもしれなくって、
それを集団(っぽい雰囲気)でずいぶん押し付けてしまったなーと反省。

■案出しの時点で/リアル性の重視、関係構築って視点で
⇒「活発な議論」ってやつのために、もっともっと授業を「授業と授業の間」みたいにしたいなと思った。

教室という場では(教室だけじゃなくて、企業の会議とかでもそう)、意見出しや案出しを求められることって多いんだけど、
みんなその場では萎縮しちゃって、授業が終わってから
「ってかさ~俺、あれはXXXだと思うだよね~」とか、「私あれやってみたかった」という形で議論が盛り上がることがとっっっても多いよね。

今回の「リアル性」っていうのは、そういう「授業と授業の間みたいな」時間のことで、
みんながぐんっと弛緩して、なんでも言える状態になっていることを指していて。
授業の時にそれが実現できれば、もっともっと会話(=議論)って活発になるはず。
「えー俺それはやりたくない」とか、「私じつはこう思ってるんだよね」、それが授業間じゃなくって、
授業中にリアルな状態で議論できたら、それってサイコーだなあ、確かにそういうところからおもしろいのって生まれてくんじゃねーかな、と
JK課の話を聞いていて思った。

そのためには、先生が目を光らせているような状態、規律がどうとか、そういう状態じゃなくて、
授業に正に「ゆるい」状態が求められているし、
その時に先生と生徒との信頼構築みたいなところがカギになってくんのかもなあ、
と思ったし、そういう場をきちんと準備してあげられたらなあと思った。

というか、本来は授業で扱う内容そのものが生徒の内側からの、自由な「やりたい!」に基づくべきで、
もしかしたら「授業で教えられる内容を学ぶ」という状況そのもの、
いまある授業の形態そのものが少しおかしいのかなあ、とも。

つまり、もちろん生徒の内発的な「あれ?これってどうしたらできんだ?」っていうことの「きっかけ」は
教師側が与えてよいとは思うのだけど、
そこから先の「で、じゃあどう解決するか?そのために何のスキルが必要なのか?」
という、本来、社会に出たら自分自身で担当するべき一番大事なところを
今は教師が肩代わりしてしまっているようなきがするな~。
生徒が内側から「あーこのスキル必要やわ」ってなって初めて、授業する、っていうものが成り立つと思うんだけどな!

■案決めの時点で/待つって視点で
⇒常に「今、考えを押し付けていないか?これは本当に生徒自身の言葉なのか?」と自問自答しなきゃなあと思った。

教室では、教師が作り出す仮想集団による心理的圧力(みんながそう思ってるんだよ~、と生徒に考えを押し付ける力)ってすごいつよい。
先生って教室の雰囲気を代表してしまうことがカンタンだから、油断していると、
例えば、先生が笑っている=ああ、今教室全体が実は楽しい状況なんだな~、となってしまいがち。
このとき、生徒は「楽しい状況なんだな~」と思うべきなんだ、と、先生という「仮想的な集団」から心理的圧力を受けてる
んだなあ、とおもった。

これってつまりどういうことかというと、
例えば何かを決めるとき、クラスの目標とか、文化祭の出し物とか、日常の行動ですら、
先生が「こういうことしたいなー」とか「あーこの案いけるなー、いいなあ」と思ったら、
その案へ導いて、まるで生徒がやりたくて選んだことのように見せかけるのがすっっっっごくカンタンなんだよね。
そういう風に決定して、
「みんなで案を出し合って決めました」なんて言ったら、それはウソになっちゃう。

「俺こういうことやってみたいんだけど!」っていうのはカンタンだから、
それが本当に生徒のやりたいことなのかどうか、常にきちんと考えておかないといけないなーと思った。
それに、話し合いの途中で、「それってこんなふうにもできるんじゃない?」「俺はこの案が好きだなあ~」とかって言うこと、
とってもカンタンだし、それをやれば自分の思うようにものごとは決まるし、言いたくなるんだけど、
そこをぐっとおさえて(あるいはそういう発言には特に注意して)、
生徒たちの内発的なうねりを「補正」してしまわないようにしないといけないなーとすっごい思った。

なんかこっそり一番多く学ばせて頂いたような。
ありがとうございました。

 

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ご紹介

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■まちづくり:イベント・講座の実行支援や自主企画に取り組んでます
移住者として鯖江市「ゆるい移住」に参加し、現在は鯖江市の職人工房開放イベント「RENEW」の企画・実行支援を手がけています。他にもいくつか、新しい取り組みを形にすべく活動しています。

■ブログ:教育・まちづくり・生き方を中心に、ブログを書いてます。
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東大でまちづくりを学んだけれど「まちづくり」が嫌いな私の思う「まちづくりの違和感」

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投稿者:

森 一貴

山形県出身、東京大学教養学部卒。コンサルティング企業にて勤務後、鯖江市ゆるい移住に参加。現在、考える力を伝えるプロジェクト「CUE」代表。