僕たちは、僕たちの偏りに、どれだけ気づけているのだろうか?
例えば、こんなクエスチョンを考えてみます。皆さんはそれぞれ、どれくらいだと思いますか。
- 日本の大学進学率は何%?
- 30〜34歳の年収の中央値はいくら?
- 25〜29歳の女性のうち、非正規労働は何割?
実際の数値を見てみます。
1.大学(短大を含む)への進学率
大学(短大を含む)への進学率は、
2.30〜34歳の年収の中央値
30〜34歳の年収の中央値は、
3.25〜29歳の女性のうち、非正規労働の割合
25〜29歳の女性のうち、
引用元によれば、平均して男性21.2%・女性55.3%は非正規。
twitterから見る参院選と、twitterから見ない参院選と。
答えを見て、想像と全然違ったと思うなら。それは
情報入手ツールが分断されているいま、僕たちは、他者を想像する機会そのものを失いつつある。
僕が最近、本当に恐ろしいなと思ったこと。
ひとつ。僕は「パプリカ」という曲を知らなかった。地域の人に「まちの人はみんな知ってるよ。保育園児もみんな歌って踊れるらしい」と教えてもらう機会がなければ、きっとずっと知らないまま終わっただろうと思います(ちなみにみなさん、この曲を知っていたでしょうか。米津玄師が作曲した、2020年東京オリンピックの応援ソングとのこと)。こちらは蛇足。
もうひとつ、大事なほう。参院選に湧くtwitterを見ていて思ったこと。
7/21、参院選が終わりました。SNS上では、多くの著名人やインフルエンサーが投票を訴え、改憲反対を訴え、消費税増税反対を訴えていた、と僕は感じています。
そしてその結果、twitterに住んでいた僕たちは(個々人の支持政党は別にして)、
実際の参院選の結果。与党・自公の獲得議席は71議席。野党の獲得議席は53でした。さらにもうひとつ伝えておきたいのは、
少し前までの世間のイメージは、”若年層と高齢者層の対立”という構図であったような気がしています。しかしtwitterにいる僕たちは、”与党を支持する、6割に迫る20代男性”のことを、すぐとなりにいる確かな存在として、感じることができていたのでしょうか?(※念のため。対立を煽りたいわけでも、野党支持を主張したいわけでもありません。)
そして投票率は、48.8%。年代別の投票率はまだ出ていないようですが、20代はおおまかに、ここから「20ポイント下回る」といいます。きっと今回の参院選。
twitterで過ごしていて、人たちの思想や言動が、本当に偏ってきているのを感じる。”投票にいこう”なんて、twitter上だけの出来事だと考えても、きっとおかしくなかったのです。
日本人のtwitter利用率は、3割ちょっとだといいます。(AMP「Twitterの利用率は3割弱。”リアルタイムでの情報収集”が主な利用目的」
https://amp.review/2019/01/16/twitter/)
そんな内輪のなかで、いくら投票を叫んでも、届かない人が本当にたくさんいます。政治のことなんてわからない人が、投票日も知らない人が、たくさんたくさんいるのです。
そんな現状を忘れて、twitterの情報ばかりに偏ってしまう僕自身のことを、僕はとても、とても怖いと思う。
偏りすぎた僕たちへ
社会に分断はある。
それを知っている人はたくさんいる。けれど、その分断が具体的に、どれだけ分断されているのか。自分は一体、どんな風に偏った側にいるのか。もう少し僕たちは想像してみてもいいんじゃないかなと、僕は思う。
あるいは、そんな自分のすぐとなりに暮らす、自分からは見えないある一人の人のことを思うとき。もう少し日本は(あるいはtwitterは)、優しくなれるのかもしれないと思っています。
“僕たちのすぐ隣にいる人々が、日々どう生き、誰とどんな会話をし、何を悩み、何を喜びに思い生きるのか。僕たちは、わずかでも、理解できるだろうか?”
僕たちは、僕たちの偏りに、どれだけ気づけているのだろうか?