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あなたに読んでほしい。「問題意識」と「やりたいこと」を切り離してほしいという、大事な記事です。

「問題意識」と「やりたいこと」を切り離そう。

あなたの問題意識は何か。

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あなたは、世の中のどんなことに問題意識を抱いてますか?

例えば日本の少子高齢化についてでしょうか。どうやったら少子化を止められるのか。どうやったら幸せに子供を産んで育てられる社会を作ることができるのか。あるいは、教育問題でしょうか。つめこみ型教育を早く変えたい。あるいは、教師が部活などなどもしなくちゃいけなくて、教師の負担が大きい、とか。

あるいは労働問題、少子化問題、まちづくり、シンギュラリティ、ひとり親家庭、マイノリティ…などなど、様々な問題(として定義できるもの)がこの世には転がっている。

そして僕には、多くの人たちが、その問題意識をもとに「やりたいこと」を決めているように見えます。「教育制度を変えるために働きたい」、「空き家問題を解決したい」、「マイノリティへの差別を解消したい」…。

でも、問題意識とやりたいことって、本当につながってるんだろうか?

「問題意識」と「やりたいこと」

 

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問題意識から、やりたいことを決めたひとがいる。Aさんは、本が好きな人だった。そして、問題意識をもつひとだった。

「世の中のひとは本を読まなくなっているらしい。本を読めば、この社会はどんどん良い方向に変わっていくはず。じゃあ、私は本を広めていきたい。みんなが、気軽に本を手にとれる社会を作りたい!

こうしてめでたくAさんは、「やりたいこと」を見つけた。さて、Aさんはこれから、何をすることになるだろうか?

やりたいことが「本を広める」ことなら、Aさんがやるべきことはカンタンだ。親しみやすいライトノベルとか、ケータイ小説(古い?)をどんどん社会に広めていけばいい。そうすれば、これまで本なんて読もうと思っていなかった、いろんな人が本を読む文化が生まれるはず。これによって、Aさんの問題意識は解決されていく。やった!

さて、立ち戻って、これをAさん自身の視点で見てみよう。

本を読んでほしいと思っているはずなのに、自分で売り場を作って売り出したにも関わらず、ライトノベルや携帯小説が飛ぶように売れるのを見て、Aさんはなぜか歯がゆい思いを感じている。なぜか?

Aさんは、本当に本が好きだ。でも、あるいはそうであるがゆえに、Aさんは軽薄な本は嫌いだ。ライトノベルや軽い恋愛もの、ケータイ小説みたいな本は、Aさんにとって「ちゃんとした本」じゃない

だから実は、いまAさんがやっていることは、本の価値を(純文学ラブ!なAさんの視点からみると)おとしめてしまうことなのだ。本が好きなAさんにとって、今回の取り組みは、心の奥ではすごく抵抗があることだったに違いない。

「やりたいこと」をしようと思っていたはずなのに、いつのまにか、そのやりたいことが、自分の思いとぶつかっている。

なんで、そんなことが起きてしまうんだろう。

「問題意識」と「やりたいこと」は、全然、関係ない。

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説明しましょう。Aさんは、履き違えてしまっているんです。「問題意識」と、「やりたいこと」とを。

Aさんの「いろんな人に本を読んでもらいたい」は、「もっと本を読む人が増えるべきだ」という問題意識から生まれた、ただの「カリソメやりたいこと」

でも、Aさんは「それがやりたいことなんだ!」と、問題意識をもとに信じ込んでしまったんです。だから、そのカリソメやりたいことと、自分自身の気持ちとのあいだで、Aさんは悩むのだ。

「私はこんなことしたくない。でも、私にとっては、これがやりたいことだったはずじゃん!…」

 

本当だろうか。あなたは本当に「いろんな人に本を読んでもらいたい!それが自分のしあわせだ!」と、思っていたんだろうか。

Aさんが、きちんとやりたいことだけを考えたなら。Aさんがやりたかったことは、例えばだけど、「しんしんと一つ一つの本の大事さを感じられるような空間、本が好きな人だけが集まる場所を作りたい」みたいなことだったんじゃないか。

つまり、素直になったなら、Aさんに「本を広めたい」なんていう想いは生まれなかったんじゃないだろうか。だって、本を広めるのって、読んでもらってわかるとおり、Aさんにとっては本当は、辛いことでしょう?(もちろん本当はいろいろ、Aさんが幸せに「本を広められる」やり方もあるんだろうけれど。)

 

そこで、私は感じたんです。

「私が感じている問題意識」と「私自身がやりたいこと」の間に、因果関係はないんじゃないか?なのに、誰もが問題意識にとらわれてしまっている…。

そこで書いてみたのがこんな図。(手描きは恥ずかしい。)

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みんな、みんな左側の「問題意識&カリソメやりたいこと」セットの方にばかり夢中になってしまっているような気がする。

例えば、「教育制度を変えたい、から文科省に入りたい!」、「空き家問題を解決すべきだ、だからリノベに携わりたい!」、「日本はこれから海外進出をしていかないと生き残れない。だから中小企業の海外進出支援がしたい!」…。

それ、本当に「真・やりたいこと」か?

もちろん「カリソメやりたいこと」と、「真・やりたいこと」とが一致しているなら、それが一番幸せだと思う。でも、僕のまわりにいる「〜をしたい!」と言っている人の8割くらいは、大体ここを履き違えているように思う。

問題意識から出てきた「カリソメやりたいこと」を、自分のやりたいことだと信じて生きているように見える。

 

あなたが「やりたい」と言っていることは、問題意識から導いた「カリソメやりたいこと」と「真・やりたいこと」の、どちらなんだろう。

わからない、と思った人は、ぜひ以下の二点を問うてみてほしい。
・あなたが感じている問題意識を具体的に行動に移すとすれば、一体なにをすることになるのか。それは、自分がやりたいことなのか。
・問題意識を取り払ったとき、自分がやりたいこと、自分がやって楽しいことはなにか。

ちょっとでも考えればわかったはずなんです。本を広めるなんて活動は、やりたい誰かがやればよくて、私は本を大事に扱ってくれる人とコミュニケーションを深めることができたら幸せなんだ、ということ。

これは、ちょっとでも考えれば避けられたはずの不幸なんです。

「これが儲かる!」と「やりたいこと」

もうひとつ似たような話をあげておきます。

「これが儲かる!」と「やりたいこと」も、ごっちゃにしてしまっている人が本当に多い。たとえば、「空き家は今破格の値段で売り出されてる。これを購入してリノベして売れば、めっちゃ儲かる!→だから、俺はそれをしよう!」。こういう人が、本当に多い。

考えてみてほしい。空き家をリノベする、というのはどういうことか。

空き家の所有者(大抵おじじやおばばである)と交渉すること。各種手続きをおこなって、なんだかんだいってなかなかの値段のボロ家を手に入れたときの精神的負担。そして、実際にどんな建物にするか考えて、中の壁紙を剥がし、こわし、誰かを雇うなり、誰かに声をかけるかなりして、一緒に新しい家を作りあげ、更にここから誰かに売り出すための宣伝をしてもらい…、そこでやっとお金が入る。

不動産で不労所得を!とか、海外客を呼んでairbnbを!とか、そういうのも、全部おなじだ。

それを、あなたはしたいのか?

そんなことも考えずに、「儲かるのか!じゃあやってみよう〜」といって始める人が多すぎる。そんなの、続くわけがない。儲かるわけがない。儲かっても、やりたいことじゃない。幸せじゃない。そんな不幸があるか?

問題意識なんて、社会のほうが押し付けてきた、作りばなしだよ。

私は、この「問題意識」(あるいは儲かる話)と「やりたいこと」を一緒くたにしてしまっているせいで、不幸になってしまっている、もやもやを抱えている、そんな人が本当に多いと思っています。

 

多分ぼくたちは、「自分のやりたいことは何か」を考えることに、何か罪悪感みたいなものを感じているんじゃないかと思うんです。なぜかといえば問題意識って、社会が何か困っている、だから問題だと感じることができるんですよね。一方で、自分のやりたいことって、ただ自分だけの「楽しそう」にもとづいている。

「社会が困っている最中なのに、自分のやりたいことだけにフォーカスするなんて、冷たいやつだ!」なんて気持ちが、なんとなくいまの社会では、優勢になっちゃっているんじゃないか?

一方で、私たちはSNSのおかげで「問題意識を持つ」ということだけは、とっても簡単にできるようになってしまった。

だから、これをやんないなんておかしいとか、あるいはこの問題は解決しなきゃいけないんだとか、これをやったら絶対儲かるのになとか、そういったことばかり気づくようになっている。

でも、もう一度言う。それと「あなた自身のやりたいこと」には、全然因果関係はない、んですよね。

問題意識につきしたがうのは、楽なんだけどね。問題意識があれば、簡単に自分自身を説得できちゃう。「こんな問題がある、だから私はこれをやりたいに違いない!!」。それに、他の人にも説明しやすい。「こんな問題意識があったから、これをおかしいと思って、それを変えるためにこんなことしているんです。」なるほど。

でも、そんなものは、自分や他人を説得させるための単なる作り話だ。本当は、やりたいことが先にくるはずでしょう?

 

とはいえ、「やりたいこと」なんてそうそう簡単に出てこない。だから、問題意識に頼っている人もいるんだと思う。問題意識に頼れば、ずっとずっと楽だもの。それは確かに、そうだと思う。僕だってずっとやりたいことなんて無かった。

もしそう思う人がいたら、きっと平本相武の「成功するのに目標はいらない!」が役に立つとおもう。「やりたいことなんてない!」と思ったときに、どう考えればいいか、新鮮な目線で書いてある。すごく綺麗に腑に落ちる。

 概要は、以下の僕の記事に書いてある。悩んでいる人がいたら、きっと助けになると思う。

やりたいことなんかないけど、しあわせでいたい人の話

今はありがたいことに、僕は自分が幸せになれる状況を知ってる。「教育のありかたを変えたい」という、問題意識的な「カリソメやりたいこと」も持ってる。

そのうえでいま僕は、僕の「真・やりたいこと」をやることを前提に、それをどうしたら自分の問題意識と結びつけることができて(=社会的に意義があることを自分にも他人にも説明できて)、どうやったらマネタイズできるかを考えている。まだまだ道のりは遠いけど、自分には抗いたくないもの。いい感じだと思う、たぶん。みんなそうなればいいと思う。

そういう意味では、僕は「問題意識は持つな!」とは思ってない。問題意識はその人が、その領域にアンテナを張ってたっていうことの証でもあるもの。

僕が言いたいのは、問題意識からやりたいことを安易に決めちゃだめだよ、ってこと。「真・やりたいこと」が先にあって、それをどうやって自分の問題意識に落とし込んでいくか。この順番が大事なんだろうなあ、という気がする。

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実は私も「やりたいこと」と「やった方がよさそうなこと」を履き違えてしまった1人なんだろうなー、と思います。

私は、実はブログなんて書くの、ぜんぜん好きじゃない。だって、面倒くさいんだもん。儲かんないし。

でも、私はいろんなことを考えている。いろんなことに気づいてきた。だからそれを人に伝えないなんてもったいない!この気づきが必ず誰かを救うだろう、誰かを必ず幸せにするだろう。だったら、これをブログにしないなんて手はない!!

とかいう、テキトーな考えで私はブログを書いています。

これは、やりたいことじゃなくて、「やったほうがよさそー」と思って始めてしまった、ダメなパターンの典型例。

もちろん、嬉しいし、楽しい。シェアしてもらったり、この記事、響いたわ〜!ってコメントがついたりとか。たしかに私のブログが誰かを変えたこともあったのかもしれない。それはとっても幸せなことだ。

でも、その幸せを得るためのコストは、今私がブログを書いているコストに対して、全然見合ってない。ブログ書くほうがたいへん。この記事もすごい時間かかった。

でも、私はなぜか「やったほうがよさそー」っていう気持ちで、ブログ書いちゃうんだなあ。それが人間ってものかもしれないよね。この記事おもしろー、って思ってくれた人もいるんでしょう?きっと。そう思うとさ、しょうがないよねえ。

それでは、また。

 

 

「問題意識」とはまた視点は違うけれど、「自分のやりたいことってなんだ?」と少しでも思った人には、必ずおすすめできる本。本ブログの以下の記事もぜひどうぞ。

やりたいことなんかないけど、しあわせでいたい人の話

「やりたいこと」をやる!ということについて、すごく真正面から向き合っている本。ここまで「やりたいこと!」にフォーカスして、やりたいことの持ち方、やりかた、などなどを丁寧に書いてくれている本はなかなかない。

もし就活で悩んでいるならこちらもどうぞ。将来のこと。生きるということ。就活のゴールってなんなのか?たぶん、たくさんの気づきがあるはずです。

必読。

 

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ご紹介

こんにちは、森一貴です。東京でコンサル経験後に福井県に移住。教育・まちづくりの分野で活動しています。ブログでは、教育・まちづくり・生き方などについて思索を書き溜めています。ご依頼等、お気軽にお声がけ下さい。


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■まちづくり:イベント・講座の実行支援や自主企画に取り組んでます
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■ブログ:教育・まちづくり・生き方を中心に、ブログを書いてます。
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やりたいことなんかないけど、しあわせでいたい人の話」
東大でまちづくりを学んだけれど「まちづくり」が嫌いな私の思う「まちづくりの違和感」

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投稿者:

森 一貴

山形県出身、東京大学教養学部卒。コンサルティング企業にて勤務後、鯖江市ゆるい移住に参加。現在、考える力を伝えるプロジェクト「CUE」代表。