「空いている」からやるビジネス

こんばんは、森一貴です。

MAKINOさんが書いたブログ「『デザイン思考』とは何か。」に刺激をうけて。

さすがに新しい生き方みたいなことがクローズアップされつつある今の時代、
雇われる時代は終わったと言って、
起業という選択肢を選ぶ知り合いは、少なくありません。

しかし、彼は例えばこんな風に言うのです。
「いまの社会は、自分なりのファッションを指向する人が多い。
 一方で、現状のアパレル業界はなんだかんだ画一的な商品ラインナップになりがち。
 そこで僕は、パターンオーダーながら安価な製品を消費者に提供する
 ビジネスモデルを構築したいと考えてるんだ。」

話を聞くと、一瞬、それいいじゃん!と思う。
例えば私の個人的な話をすれば、背が小さいので身丈は短めにしたい。
でも、XSサイズを選ぶと肩幅がきつい。
きっと似たような悩みを持つ人は多い。
単純に考えれば、よさげなビジネスに聞こえる。

「空いている」からやるビジネス

でも私はそこで、ちょっとまてよ、と思うのです。
彼らの言っていることは、つまりこういうことです。
「今あるビジネスは、この部分が『空いている』。だから、僕がここをやる。」

またこのパターンだ!と私は思う。
「空いている」から俺がやるビジネス!

それは、やめといたほうがいいんじゃない?、と私は思うのです。
どうやら最近は、そういう発想がずいぶんずいぶん多いように私には見える。
雇われなければ、起業できれば、つまり自分が社長になれればなんでもいいんでしょうか。
なんであえて、競争に身を投じるのか。

果たして、仮に彼のビジネスがうまくいったとする。
そしたら、ユニクロがそれをやるでしょう。
大企業の効率性は圧倒的です。まさか、金額面で敵う金額設定ができるハズがありません。
(もうやってますね。マイユニクロ、愛用してます)

Zero to Oneであること

『デザイン思考』とは何か。」でいえば、まさにこれを「クリエイティブでない」と呼ぶんだろうと思います。
すなわち、それは単純な、既存の構造を踏襲したビジネス。

ピーター・ティールのゼロ・トゥ・ワンという書籍があります。
タイトルを見てもらえればわかるように、この書籍では、
「1を10」にするようなビジネスなんかやめろと、あるいは「Zero to One」であれということを謳っています。

その中心的なメッセージは、
「賛成する人がほとんどいない重要な真実は何か?」ということ。
そしてその真実こそが「0を1にする」なのだ、ということです。

きっと、この「0を1にする」ことを、人は「クリエイティブ」と呼ぶのだろうと思います。
そして、そのクリエイティビティがなければ、起業などうまくいくハズがない。
なぜなら、ゼロ・トゥ・ワンでも言われているように、1を10にすることは誰もできるからです。
そこは限界のあるパイを奪い合う競争市場でしかない。
競争市場で生き残るのは、至難の技です。
そこには、先んじて迎え撃つ、かつて0から1を生み出した大企業がいる。

一方、0を1にするビジネスは、競争からはフリーです。
競争相手がいない。その状態を作り出すことが大事なのだとピーター・ティールは言います。

例えば、先ほどのパターンオーダービジネスの例で言えば、
友人がこんなことを言っていました。
「身体測定の結果を蓄積するビジネスがしてみたいねん。
 そこに、性格診断の結果とかも蓄積されていくようにする。
 そうなれば、いちいち各店舗で丈詰めとか調査しなくていいし、
 各店舗でユーザに応じた最適なファッションを提案することができる。
 その蓄積した情報をもとにパターンオーダーとか受けられるようにしたらよくない?」
それが実行できるかは別としても、
こういう「現状の構造」にとらわれない着眼点が必要なんだろうなあ、と思います。

クリエイティビティと私たちの毎日

ビジネス視点からは離れますが、
個人的には、現状の社会が「重要な真実」を見逃しがちであることに対して強い憤りを感じています。
どうやらそれによって私のまわりが、不自由であったり、つまらなかったりするからです。

勝手にですが、たまのもりは、
「重要な真実」をみんながわかる形式に落とし込むことで、
誰かが幸せになるプロセスでありたいと願っています。
たまのもりのいくつかの記事は、一文に落とし込むと
「賛成する人がほとんどいない重要な真実」になります。
例えば、「東京には何もない」とか、
まずはじめに目標設定をするのは間違いである(やりたいことなんかないけど、しあわせでいたい人の話)」といったような。

ここで言いたいのは、私が重要な真実によく気づいている、という自慢の話ではなくって、
本来、私たちは、重要な真実なんてはじめには気づいていたはずだ、ということなんです。

「重要な真実」にいたるのに必要なのは、
「あれ?」と思うことと、それに向き合うことだと思っています。
でも、その後者は、現代ではどうやら軽んじられているように私には思えます。

例えば、きっと多くの人が、就活のときに思っただろうと思うのです。
「やりたいことなんてないよ」、ということをです。
でもそこで「やりたいことはない」ことに向き合った人はきっと少なかった。
なぜなら、みなさんを待ち受ける側の社会が「やりたいことはあるんだ」という前提にたっていたからです。
話は「(あるはずの)やりたいことをどう探せば良いか?」から始まっている。
本当は、そうじゃないだろう、ということに、私たち全員が向き合って、それぞれの答えを出していいはずなんです。

それができない社会は、どんどん、
「間違っているハズなのに、こっちの方がスタンダードっぽい」
という方向に流れていってしまうのではないかと思います
それに合わせるのは、合わせるのに慣れた私たちには、
そんなに難しいことではないかもしれない。
でも、それを許していたら、
私の毎日は、きっとどんどんつまらなくなっていってしまう。

クリエイティビティを、デザイン思考を、あるいは重要な真実を
みんなが、それぞれのみんなの毎日を楽しくするために用いられる社会であれたら、
きっともう少し、この世界に笑顔が増えるんじゃないか、
私はそれを信じ続けたいと思っています。

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ご紹介

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やりたいことなんかないけど、しあわせでいたい人の話」
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投稿者:

森 一貴

山形県出身、東京大学教養学部卒。コンサルティング企業にて勤務後、鯖江市ゆるい移住に参加。現在、考える力を伝えるプロジェクト「CUE」代表。