こんにちは、森です。
「確定申告って何?」「個人事業主/フリーランスになるメリットって?」「経費で落とすって?」
googleで検索してみても、Yahoo!知恵袋で聞いてみても、なんだか難しそうな説明が多く、ちょっとわかりづらいですね。
そこで、本当に個人事業主/フリーランス初心者!という方に向けて
※本記事は、わかりやすさを優先して細かい情報は省いています。必要に応じて、細かい情報は検索してみてくださいね。
確定申告って、そもそも何?
確定申告とは一言で言えば
みんな、なんでそんな面倒なことをするんでしょうか?
もちろん、みんなお国のためにただボランティアでやっているわけではありませんね。確定申告をすると「払いすぎた税金を返してもらう(還付)」ことができます。(逆に、払った税額が少なければ、追加で納める必要もあります。これをしないといわゆる「脱税」になります。)
かえってくる額は、最大で売上の10%ほどにもなります。例えば200万の売上がある人なら、最大20万返ってくる。大きいですね!そのため、みんな確定申告をするわけです。
でも、そもそも税金っていつ支払われているのか、そもそも何に応じて税金って払う必要があるのか、確定申告ってどうやってするのか、いつお金かえってくるのか…、まだまだちょっとわかりづらいですね。わかりやすさのために、具体的な例をイメージしながら、もう少し詳しく説明してみましょう!
確定申告とは、「費用」を申告し、払いすぎたお金を返してもらうこと!
では、イメージしてみましょう。今からあなたは「WEBライター」です!
クライアントから、20万の委託費で「ある旅先に訪れ、とあるイベントの体験記事を書いてほしい」という依頼がきました。あなたは無事、旅先に訪れ、イベントに参加し、この仕事をやり遂げました。宿泊費や交通費等で、かかったお金は10万でした。
このとき、「あなた」のお金の動きを見てみましょう。
◯ 出ていくお金=交通費・宿泊費・イベント参加費 … 10万円
◯ 手元に残るお金 … 10万円
こんなふうになりました。手元に残るのは、とりあえずの計算では「10万円」になりますね。
ところで、この世には税金というものが存在しておりまして、皆さんは20万円をそのまま受け取ることはできません(※仕事の内容によります)。売上から、一定率の額を国に納める必要があるのです。
この税金は、クライアント(依頼する会社側)が毎月支払っています。これを「源泉徴収税(げんせんちょうしゅうぜい)」といって、今(2018年4月)は金額の10.21%を納めなくてはいけません。
そこで、クライアントはこの10%=約2万円を皆さんの代わりに国へ納めてくれます。そして、残りのお金がみなさんに振り込まれるわけです。
あなたに振り込まれるお金は大体「18万円」。交通費やイベント参加費の10万を引くと、皆さんの手元に残るのは「8万円」程度でしょうか。
◯ 出ていくお金=交通費・宿泊費・イベント参加費 … 10万円
◯ 手元に残るお金 … 8万円
手に入るお金は10万から8万に減ってしまいましたが、まあ、そんなもんかな…と思っては、いけないです!
同じお仕事が、10回繰り返されたらどうでしょう?
100万円手に入るはずのお金が、80万に…。随分、減ってしまったように感じます。20万も税金でとられてしまっているわけですね。
ここで、ちょっと考えてみてほしいことがあります。
私たちはいま、「売上」の20万から税金がひかれていますが、本当は交通費等でかかった10万を引いて、「残りの10万」から税金がひかれるべきだ!と、思いませんか?
だって、皆さんの本当の儲け(=売上-費用)は、10万円なんですよ。
実際に、税金はそのような制度になっています。つまり、本当は
しかし、お仕事をお願いしたクライアントの方は、「クライアントが皆さんに渡したお金=売上200万円」はもちろん把握しています。一方、その仕事をするために「私たちがいくらお金を使ったか?=費用100万円」のことは、クライアントにはわかりませんよね。
だから、私たち個人事業主/フリーランスの側が自主的に、国に「これだけ売上があって、これだけかかったよ〜!(だから、払いすぎた税金、返してください!)」ということを改めて報告しなくてはいけません。
これを
今回の例では、みなさんは毎年3月頃に確定申告で「200万売上があって、100万費用がかかったよ!だから、納める税金は大体10万円になるはずなんだよ」ということを国(税務署)に伝えます。
すると、国は「今のところ、20万もらっていましたね。もらいすぎていたようです!では、10万円返します」ということで、皆さんの手元に改めて10万円が戻ってくる、ということになるわけです。
確定申告をするためには、もちろん「売上」や「経費」などを記録しておかなくてはいけません。また、使ったお金は「領収書」をもらって残しておかないといけないんです。
お店で「領収書ください」というのは、「経費で確定申告しないといけないので、その証明書をください」という意味なんですね。
確定申告は3月頃に日本中で一斉に行われ、4月半ばに税務署から還付金が振り込まれます。
ちなみに、雑貨屋さんやカフェ、塾など、一般のお客様からお金を直接いただく場合がありますね。また、先程のライター等の場合でも、クライアントが源泉徴収しない場合もあります。
その時は、皆さんの売上に対し、誰も税金を納めていない状態になります。だから、皆さん自身が確定申告し、税金を納めなくてはいけませんね。とはいえ、少額(個人事業主やフリーランスの方なら、38万/年以下)であれば申告の必要はないとのこと。詳しくは、検索してみてください。
また、皆さんがデザイナーさんなどに仕事を依頼する場合も、皆さん自身が源泉徴収を国へ納める必要がありますよ。
「経費でおとす」って?
さきの例では、ひとつの仕事に着目して「費用」を考えてみました。
でも、もう少し想像を膨らませてみると、例えば「カフェで打ち合わせをしたよ」、「勉強のためにこんな本を買ったよ」、「家を事務所で使っていて、そのためにネット代がかかっているよ」…こうしたひとつひとつも、実は売上をつくるために必要な「費用」ですよね。
だから、こうしたお金も合計して、国へ報告することができます。このことを個人事業主/フリーランスの人は「経費でおとす」と表現しているわけですね。
飲み会のお代を「経費でおとす」というのは、「この飲み会で親睦が深まり、次の仕事に繋がるのだ!」と考えることにするよ〜、という意味なのです。
だから、実は「経費でおとす」といっても別に何かのマジックで無料になるわけではありません。「国から返ってくるお金をちょっとだけ増やすよ」くらいのニュアンスで捉えておけばよいでしょう。収入にもよりますが、大体かけだしの個人事業主やフリーランスであれば、ざっくり支払額の5%〜10%が国から返ってくることになります。
個人事業主やフリーランスのメリットって?
実は、上記の話こそが、正に個人事業主やフリーランスになるメリットです。(個人事業主とフリーランスは、税務上は同じ意味です。雇われずに仕事をつくっている人、という意味!)
会社に雇われていると、飲み会代や書籍代を経費で落とすことができません。これは、経費は会社側で持つものだから。その代わり、いわゆる「確定申告」のような面倒な作業は、会社が代わりにやってくれるのです。(※最近は「特定支出控除」といって、サラリーマンも経費を申告できるそう。気になる方は調べてみてください)
一方、私たち個人事業主やフリーランスは、仕事につながることはどんどん経費で落としていけばよいのです。
先程あげた書籍代や交際費、家賃や光熱費はもちろんのこと、カフェでの打ち合わせや携帯の電話代・ネット代、研修目的の旅行、とにかく仕事に繋がった、と思われるようなことは経費として落とすことができます。
すると、課税対象となる収益(=売上-費用)がどんどん小さくなり、最終的に納める税金が少なくて済むようになります。
とはいえ、何でもかんでも飲み会を経費で落とすとか、あんまりあくどいことをしていると、たまに税務調査が入って大変だそうですから、お気をつけくださいね。
また、別途調べてもらえばよいですが、経費で落とせないものもたまにあります。基本的には服飾費や美容代(髪を切るお金など)は経費で落とせないようですね。
確定申告について、まとめてみました。
今回は初心者個人事業主やフリーランスの人に向けて、ざっくりと確定申告とは何か?経費とは何か?個人事業主やフリーランスの人のメリットは何か?という点をまとめてみました。
改めて整理してみましょう。
=私たちにとっては「払いすぎた税金を取り戻す」作業。
◯ 経費(費用)とは…出ていったお金のこと。
◯ 個人事業主やフリーランスのメリットとは…「経費で落とせる」こと!
個人事業主やフリーランスになることは、自由を得られること、出ていくお金を経費で落とせることなど良い面もある一方で、雇用される場合に比べて、安定した収入が得られない、労働保険がないなど、自分で自分を守らなくてはいけないデメリットもあります。どちらも勘案しながら、よりよい選択ができるとよいですね。
※今回は、全体をわかりやすく理解してもらうため、細かい説明は省いています。本来は復興税や益金・損金と売上・費用の違い、保険や年金、住民税の処理など、まだまだ難しい処理がたくさん。必要になったら、検索してみてくださいね。
今回は概要だけを紹介しましたが、実際の確定申告にあたっては、領収書をまとめておかなくてはいけなかったり、自分で売上や経費を計算したりする必要があったりと、割と手間がかかるもの。
手元に、すぐに参照できる書籍があるといいですね。