「計算が苦手」という大人をよく見かける。子どもや就活生でも、困っている人の話をよく聞く。
計算が得意という人から見れば簡単な計算でも、計算が苦手な大人から見たら、むしろ「なんでそれ暗算できるの?」という認識らしい。
いまの就活生なんて、SPIなどのwebテストも増え、「計算をどれだけ正確に早くこなすか」なんて就活以前の問題。せっかくなら、算数得意な就活生!として就活デビューにこぎつけたいもの。
さて、最近算数が苦手!という人に算数を教える機会があった。そこで気づいたのだけど、僕は暗算をする時、本当に無意識に、「ある特定の方法」を使って「計算」していることに気づいた。
実は、得意な人は無意識に暗算のコツを使いこなしている。本記事ではその計算方法をみなさんにお伝えしたい。「算数は永遠に苦手だ!!」と思っていた大人を、本記事で全力で暗算できる大人にしたいと思っている。
そもそも、算数ができる人とできない人の違いとは
どんな計算も暗算でこなす人を見て、算数が苦手な人は「すごいね、算数得意なんだね。いいなあ。」と思う。
でも、計算が得意な人は、別に算数が得意なわけでも、計算のセンスがあるわけでもない。計算が得意な人は苦手な人と比べ、単純に「計算する方法」が違うだけだ。もうちょっというと、計算が得意な人は単なるめんどくさがりである。
計算が得意な人と苦手な人が、どんな風に違うのかちょっと見てみよう。「算数が苦手な大人」の計算方法はこう。
「101×24?えーと…(ここで紙を取り出す)(筆算をし始める)…2424!」
こんな風に、すぐ筆算してしまう人は、確実に算数が苦手だ。実は、すぐ筆算に走ってしまう人は、永遠に算数が得意になることはない。
一方で、計算が得意な大人は、常に「どれだけ楽をするか」を考えている。例えばこう。
「101×24?面倒だなあ。100×24だったらめっちゃ楽なのにな。あ、それでいけるかも。100×24に24足せばええやん。あ、2424か〜。」
実は、ここが計算が得意な人と、苦手な人の差である。
つまり、計算が得意な大人、暗算が早い大人は、誰よりも一番計算していないんである。
今日、一番伝えたいこと。それは、計算が得意になりたかったら計算するのはやめよう!ということ。なにそれ。どうしたらいいの!!という方へ向けて、以下でその計算方法をお伝えする。
総括
長い文章を読むのが苦手な人もいるだろうから、まずは総括を記載しておく。
今回最も伝えたいのは「大体」を把握しろということだ。それで、大抵の計算は紙とエンピツなしで解けるようになる。足し算・引き算のケースと、掛け算・引き算のケースの2つのパターンを画像でまとめてある。
ぜひ、エッセンスだけでも持ち帰ってもらえれば嬉しく思う。
まずは足し算・引き算。
次に、掛け算・割り算。
もう一度、重要なのは【「大体」把握すること】だ。
もしあなたが本当に計算が得意になりたいと思っていて、練習したいと思っているなら、この本をおすすめしておきたい。
SPIは就活に使われるテストだが、簡単だが、スピードや正確さが求められる計算が多く扱われている。特にこの本はその「計算」を丁寧に扱っていて、計算が苦手な人にはためになる部分が多いと思う。
さて、では以下からより具体的に計算の方法について言語化していきます。
全ての計算に適用すべきステップ
まず計算が苦手な大人に知ってほしいのは、いきなり計算するな!ということ。
計算は、常に「楽をしよう」と考えて下さい。とりわけ、筆算なんてしてはいけない。楽に楽に計算しようとしていけば、多くの計算は頭の中で完結します。
具体的には、以下のステップで行う。常に頭の中に入れておくべし。やってるうちに徐々に無意識化されていく。
- 大体見積もる
- 一番簡単に答えが出る方法を考える。
- 答えを出す。
計算は、なるべくしないのがコツ。紙で筆算、なんて言語道断。
私たちは、既に「知ってる計算」ってありますよね。(例えば、7+6=13、とか。)その「知ってる計算」にいかに持ち込むか、がコツ。
以下に、各四則演算に上記ステップを適用して、いくつかの計算を実際に解きながら「算数が得意な人のアタマ」を解き明かします。
足し算は、見積もって詳細化して答えを出す。
足し算はまあ、できますよね。まあ、そう言わずやってみましょう。
38+59=?
はい、計算してください。暗算でいけます。筆算しない!!!
そうですね、答えは97です。算数が苦手でもこれくらいはできる…?
得意な人は、ここでふと「あれ、俺いまどんなステップで計算したかな?」と改めて考えたんじゃないでしょうか。
足し算・引き算の計算方法の要約
まず、先に一旦要約を掲載しておきます。足し算と引き算は、要約すると以下の2パターンを用意し、頭の中で使い分けることで計算できます。
①大体化して、ずらした分を元に戻すように計算する。
例)763+168=?
大体:750+150=900
詳細:(750+150)+(13+18)=931
②大きい位から計算する。
例)1214-723=?
(大体:1200-700=500)
詳細:(1200-700)+(14-23)=500-9=491
では、上記について、ゆっくり各手順ベースで説明してみましょう。まずは足し算から。
大体見積もる
大体です。38+59を大体化するとどうなりますか?
そう、
40+60=100
ですよね。そうそう。そんな感じです。
めっちゃだいたいでいいです。
これってなんのためにやってるの?って思われる方もいるかもしれません。でも、計算のときに実はとっても大事なことは、「安心して計算する」こと。
計算のゴールが全く分かっていないのと、大体100やなあと思って計算するのとでは、安心感が全く違います。あたふたしないで計算できるし、答えも間違えなくなります。100とあまりにずれていたら、違うと判断できるからです。
実は算数や数学が目指しているのは、「ゴール視点で考える能力」、「ゴールに至るアプローチを適切に導く能力」だと僕は考えています。この「大体化」のステップがなければ、算数は算数足りえません。言いすぎか。
一番簡単に答えが出る方法を考える
ここが、計算のコツ。勘所です。筆算をせず、暗算で計算するために、簡単に答えを出す【パターン】をおさえます。
足し算では、以下の2パターンの解法があります。僕は大体①で解くかな。
① 大体化したものを詳細化する
大体化作業をすると、
38+59≒40+60=100
となるんでした。ここで、この大体を詳細化するのが①の解法です。すなわち、
38+59=(40-2)+(60-1)=(40+60)-(2+1)
と変形します。
式にされるとわかりづらいですが、要するに
・38→40にするのに2足した
・59→60にするのに1足した
・だから、40+60して【増やした2と1を引けばいいよね】
という流れになるわけですね。
大体化した作業をそのまま活かせるのがいいですね。これなら頭の中で計算できそうです。よね?
②大きい位から計算する
38+59=(30+50)+(8+9)=80+17
とする解法です。
実は「1の位+1の位の足し算」って、みんな解を知ってるんですよね。それを利用すれば、頭のなかの足し算だけで計算ができます。
こっち派の人も割と多そう。
答えを出す
流石に足し算は簡単なので、答えは出ているようなものですね。
(38+59=) 100-3=97
または
(38+59=) 80+17=97
これで足し算も一瞬で解けますね。ではやってみましょう。
例題
343+588=?
・大体化:343+588=350+600=950
・簡単化:(350+600)-(7+12)
・答え:931
一瞬です!パターン①「大体化して詳細化する」を使っています。
ちなみに、588→(600-12)がもしかしたら難しい人がいるかも。意識して考えてみると、間のステップとして無意識に
588=500+88=500+(100-12)
という操作が入っていますね。この問題は、パターン②だと繰り上がりが複雑になるのでちょっと疲れそう。
引き算も、見積もって詳細化して答えを出す。
引き算も一緒です。大体化して詳細化すればいい!やってみましょう。
63-27=?
答えは36です。繰り下がりがあるから複雑そうに見えますね!
大体見積もる
60-30=30くらい。
えっざっくりすぎでは!?いや、こんくらいです。だって、今こうやって打ち込んでますけど、実際頭のなかでやるんですから!
一番簡単に答えが出る方法を考える。
引き算も、足し算と同じパターンで解けます。つまり、【大体化したものを詳細化する】か、【大きい位から計算する】か。
①大体化したものを詳細化する
63-27=(60+3)-(30-3)=(60-30)+(3+3)=30+6
あれ?どっちが足すでどっちが引く?って頭の中がこんがりそうなので、今回は②のほうがオススメ。
②大きい位から計算する
63-27=(50-20)+(13-7)=30+6
引き算は流石にこっちのほうが楽ですね。ポイントは見ての通り、繰り下がりになるので3-7じゃなくて13-7になるところ。
別にこっちでもいいけど。
63-27=(60-20)+(3-7)=40-4
やっぱりみんな引き算はちょっと抵抗感があるので、できるだけ足し算になる方が気持ちも計算も楽ですね。
答えを出す
もういいよね。
63-27=36
足し算・引き算まとめ
要するに、計算に応じて以下の2パターンを覚えといて楽な方を使う!!ということです。以下は再掲。
①大体化して、ずらした分を元に戻すように計算する。
例)763+168=?
大体:750+150=900
詳細:(750+150)+(13+18)=931
②大きい位から計算する。
例)1214-723=?
(大体:1200-700=500)
詳細:(1200-700)+(14-23)=500-9=491
どうでしょう?いけそうじゃないですか。
見てもらえれば気づくと思うのですが、実は両パターンとも「大きいところから潰していく」のが重要なポイントになっています。つまり、まず100の位はカンタンにしておいて、残りの10の位とか、1の位を計算する。
実はこの考え方はビジネスにも通じています。「大枠から詳細へ」というのはコンサル業界でもよく使われる言葉です。なんつって。
掛け算は、大体化→詳細化/脳内筆算/知ってる計算で解く!
さあ、次は掛け算!
掛け算もいくつかパターン化してみます。
掛け算の解法まとめ
大まかには、以下の3パターンを適用します。
①大体化で解く
②頭の中で筆算する
③知ってる計算に持ち込む
以下に計算パターンの詳細を記します。
大体化で解く系
掛け算を解く場合の基本形。
99×23=?
これはよくありがちなパターンですね。絶対筆算してはいけない典型的なパターンです。答えは2277ですね。
同様にステップを適用すると、
・大体化:100×23=2300
・詳細化:(100-1)×23=2300-23
・答え:2300-23=2200+(100-23)=2277
こういう、わかりやすい数に近い系!!は「あ、100-1にすればいい系だ!!」って感じで解きましょう。
ちなみに100-23=77は
100-23=70+(30-23)=70+7=77
とすると楽ですね。
99や101なんかの、100前後の数では当たり前のように使います。が、それ以外でも一般的にはまずこのパターンを適用して計算することが多いです。こんな感じ。
72×8=(70×8)+(2×8)=560+16=576
こういうのもそうですね。
38×12=(40-2)×12=(40×12)-(2×12)=480-24=456
結局、これが一番使用頻度(汎用性)が高そうです。
頭の中で筆算する系
人間、結構がんばれるので、以下の問題くらいは頭の中で筆算ができます。
36×7=?
コツは、大きい位から計算すること。こうなります。
36×7=30×7+6×7=210+42=252
これをやってると、簡単な問題なら二桁×二桁くらいでも暗算で筆算できるようになってきます。楽しいです。
32×24=32×20+32×4=640+128=768
いけますね。
知ってる計算に持ち込む系
数学慣れしてる人は、しゅるっとこれ使っちゃいます。説明しづらいので、実例を見て下さい。
25×32=?
答えは800です。慣れるとまじですっごいめちゃ早で解けます。こうやって解いています。
25×32=(25×4)×8=100×8=800
25×4=100なら知ってるから、とりあえずそこに持ち込んじゃおう、という発想ですね。なんか、世の中ではこういうのを「計算のセンス」というのだろうと思います。でも、要するに「楽しようとしただけ」を一番地でいってるのがこのパターン。
算数をずっとしていくと、よく見る数字っていうのが出てくるんですよね。具体的には、
・5らへん:5×2=10、25×4=100、25×5=125、とか
・2の◯乗:2,4,8,16,32,64,…
・12の倍数:12,24,36,48,60,72,84,96,…
5とか2はまあわかると思うんですけど、12の倍数はめっちゃ見ますよね。1日24時間とか、生活に根ざした数だからでしょうか。
大体このパターンを押さえておけば掛け算は解けそう?何か思いついたら教えてください。
さて、上記を踏まえてちょっとした計算の例題。7人家族で528円の何らかのチケットをまとめて支払うシーン(ありそう)
528×7=?
これは以下の計算に持ちこむと楽そうです。頭のなかで筆算&大体化→詳細化を両方適用したパターンですね。
528×7=(500×7)+(30×7)-(2×7)=3500+210-14=3710-14=3696
さすがに暗算は厳しそう?たまには筆算もいいかも。いやいや、思いつきました。
28×7=(7×7)×4=(50-1)×4=196
知ってるパターン持ち込み(50×4=200)と大体化→詳細化を適用してます。こうしてあげれば528×7=3500+196=3696も筆算なしで計算できそう。
掛け算のまとめ
以下の3パターンから、計算に応じて使い分けます。再掲ですが、特に、「大体化で解く系」は計算が早い人がかなりの確率で無意識に、しかしすごい頻度で使っています。
①大体化で解く
206×7=(200×7)+(6×7)=1442
1998×9=(2000×9)-(2×9)=18000-18=17982
後者の計算は面倒ですね。引き算はみんな嫌いなので、17900+(100-18)とすると頭の中が楽になりそう。
②頭の中で筆算する
65×5=325
計算するだけ!!でも、大きい位から計算します。
③知ってる計算に持ち込む
72×125=(8×125)×9=1000×9=9000
25×4=100という慣れ親しんだ計算に持ち込んでいます。8×125=1000は算数慣れすると知っていますが、基本的には25×4=100さえ覚えておけば同様に計算可能です。これができるとイケメン感がある。
筆算が必要なのは、2桁以上のよくわからん計算のとき。
2桁×2桁以上の計算は、なかなか頭のなかでの筆算はできない。ので、「知ってる計算に持ち込む」とか「大体化する」パターンが使えない場合は残念ながら筆算をせざるをえません。こんなん。
1283×713=?
さすがにこれは、大体化→詳細化すると手順が多くなって頭がこんがらがります。計算機ツールを使いましょう。答えは914,779。(普通にiPhone使いました)
但し、筆算をする場合でもかならずやってほしいのが、「大体どんくらいだろうな?」という手順を踏むこと。今回は1300×700=91,000くらいだろう、くらいの想像をぜひしてみて下さい。
計算機ツールでも、打ち間違うこともある。そんなとき「大体見積もる」力がとても役に立つ。
割り算は、知ってる計算に全部持ち込む!
割り算はどうしても筆算しないといけない(ことも多い)!!
とはいえ、割る数が1,2桁の場合は暗算でかなりせめられます。割り算は、掛け算の①大体化で解く、あるいは③知ってる計算に持ち込むパターンで計算します。
では、いってみよー!
大体化で解く
同じみになってきましたね!
2194÷11=?
まず見積もりは2000÷10=200くらいがいい目安になりそうです。解き方としては先ほどやった「知ってる計算に持ち込む」を含んだ解法になりますが、こんな感じ。
2194÷11=詳細化:(2200-6)÷11=200-6/11(=199あまり5)
すごく大事なことを言います。こうした問題を解くとき、計算が得意な人の頭は、掛け算でできています。具体的にはこう。
「大体近いのは11×2=22だから、それを作ったら簡単に計算できそうだな。あ、2194だからとりあえず2200にしといて、残りはあとから考えよう…」
これ、めっちゃ重要です。計算が得意な人の頭は、掛け算でできています。
知ってる計算に持ち込む
割り算においては、要するに「知ってる掛け算を使って、大きい数をバラしていく」ことで解きます。割り算では、ぜひこの解法が使えるようになってほしい〜!!
以下のような例題で検討してみます。
4214÷12=?
これ、暗算で割と一瞬で解けます。
4214÷12=(3600÷12)+(600÷12)+(14÷12)=300+50+1あまり2=351あまり2
楽に計算するには、いかに「知ってる計算に持ち込む」かがカギだという話をしましたね。今回の場合は「12×◯◯の計算はよく知ってる」ことを用いて、12×3=36だよね(掛け算化)、をきっかけに計算をスタートさせています。
意識的にステップを詳細化して書きます。僕の頭の中では以下のような計算が走っています。
①大きい数を、知ってるカンタンな掛け算にして分離する
めっちゃ楽したいから、4214が12の倍数だと楽だ。
12×3=36だから(掛け算化)、それを使ったら簡単に計算できそうなので、
4214=3600+614 (= 12×300 +614)
にしておけば、614は後から考えればいいや。
②残った数を、知ってるカンタンな掛け算にして分離する
614はわからんけど、12×5は60なのは知ってる(掛け算化)。そこで
614=600+14 (=12×50+14)
③計算をまとめる
これでやっと、先ほどの計算プロセスに至るわけです。
4214÷12=(3600÷12)+(600÷12)+(14÷12)=300+50+1あまり2=351あまり2
上記の計算の流れだけを見ると「何やってるんだ???」と思うかもしれませんが、要するに「わかる掛け算に持ち込んでいるだけ!!」ということがわかるでしょうか。
実例
実用ベース(割り勘シーン)ではほとんど暗算でいけます。ありがちなのがこんなシーン。「お会計41662円でございます。」(あ〜13人で割り勘…)ここで計算機ツールを使うな!!
41662÷13=?
13×3=39なのは知ってるから、
41662=39000+2662
(補足:ちなみにここでも、41662から39000をひいてるんでなくて、39000に2000を足したら41000になるな、ここに662足したら2662になるな、だから2662だな…と引き算→足し算に変化しています。)
更に、2662は13×2=26を使うとめちゃ楽そうなので
2662=2600+62
62は、13×5=65を知っていると計算が早そうですが、62円くらい誰かが奢ればいいでしょう。
41662÷13=(39000÷13)+(2600÷13)+(62÷13)=3000+200+4あまり10=3204円あまり10
めちゃ早で計算できます。「一人3200円お願いしま〜す」いけますね!
割り算のまとめ
割り算では、まとめると「知ってる掛け算(馴染み深い数字の倍数)」に持ち込むことが重要です!
①大体化して解く
1190÷12=(1200-10)÷12=100-10/12 (=99あまり2)
1200が12×100なことを知っているので、それに寄せて大体化しているんですね。
②知ってる計算に持ち込む
307÷9=(270+36+1)÷9=30+4+(1÷9)=34あまり1
3×9は27なので、270を取り払って考えちゃえばいい!簡単だ〜!!とっても簡単だ!!
その他の計算
色々と参ってる人が多そうな2つの計算
割引の計算
割引は、難しく考えたら負けです。
598円の2割引
考え方は2パターンあります。
①引き算にする
②掛け算にする
①引き算にする
「2割引」っていうのは、つまり598を10個に分割したとき、そのうち2つ分が抜かれるってことですよね。
598-(59.8×2)=480円くらい
大体でいいでしょう。スーパーで計算する用ですから!
②掛け算にする
「2割引」っていうのは、つまり598を10個に分割したとき、それが8個分ってことですよね。
59.8×8=(60-0.2)×8=480-1.6=478.4
簡単!!
小数点を交えた計算
小数点を置く位置がわからないから、筆算します!!っていう人もいるみたいです。俺は東大出たけど、筆算で小数点置く位置は未だにわかりません!!!
0.0012×100.01
バカいえ!こんなもん小数点の位置をわざわざ考えたら日が暮れます。以下のどちらか、好きなパターンを使って下さい。
①大体見積もる
0.0012×100.01≒0.001×100=0.1
これを覚えといて、小数点は外して計算します。
12×10001=120012
大体答えが0.1になるはずなので、答えは
0.120012
ですね!!わかりますか?要するに、見積もった答えと近くなるように小数点を置けばOK!!
②小数点を外す
0.009×10.1=?
小数点を外して、そのときに外した回数を覚えておきます。
0.009→9にするのに、1000かけた(三回左に動かした)
10.1→101にするのに、10かけた(一回左に動かした)
こうしておけば怖くない!
9×101=909
ここから、10000で割ればよい!(4回右に動かせばよい)
よって、
0.009×10.1=0.0909
どうでしょう。小数点を交えて計算しようと思うからこんがらがっちゃうんです。小数点はあとで考えるのがコツ!
まとめ
さて、再度全体像をまとめて終わりにしましょう。
足し算・引き算
以下の2パターンを状況に応じて使い分けます。
①大体化して、ずらした分を元に戻すように計算する。
例)763+168=?
大体:750+150=900
詳細:(750+150)+(13+18)=931
②大きい位から計算する。
例)1214-723=?
(大体:1200-700=500)
詳細:(1200-700)+(14-23)=500-9=491
掛け算
以下の3パターンで解きます。
①大体化で解く
198×9=(2000×9)-(2×9)=1800-18=1782
②頭の中で筆算する
65×5=325
大きい位から計算します。
③知ってる計算に持ち込む
25×12=25×4×3=300
割り算
①大体化して解く
598÷12=(600-2)÷12=50-2/12 (=49あまり10)
②知ってる計算に持ち込む
314÷24=(240+72+2)÷24=10+3+(2÷24)=13あまり2
240を引けば74。24×3=72なのも知ってる。簡単ですね。
割引
①引き算にする
452円の2割引=452-(45.2×2)=452-90.4=361.6
②掛け算にする
452円の2割引=45.2×8=361.6(脳内筆算しました)
小数点
①見積もってから解く
0.04×110.01=?
大体0.04×100=4なので
4×11001=44004より、0.04×110.01=4.4004
②あとで考える
0.04×110.01=4×11001(×1/100×1/100)=44004×1/10000=4.4004
まとめ
計算が苦手な大人(子どもも。就活生も。)のために、今回は全力で計算が正確かつ超早くなる方法を説明してみました。
計算が得意!という人は、実は単に無意識に今回説明したような計算方法を取り入れている、ただのめんどくさがりだったんですね。
算数や数学が苦手だった大人も、明日から、きっと「計算」を前にして、これまでみたいに苦手だ!!という思いじゃなくて、「あれ、これ暗算できるかも?」という気持ちになってくれたら幸い。というか、「あ、計算できた!」ってなってくれたら幸い。
世の中がみんな楽に生きられる世の中になりますように。
実は、「計算苦手!」の克服に一番良いのがこの「SPI」である。簡単な計算だが、効率的で正確な計算が求められる。SPIは就活でのテストだが、この本ではその計算についても多くの誌面を割いており、「計算が得意な人の思考回路」をつかむことができる。また、「小難しい話が苦手」という人も、そういう話を手軽に理解できる第一歩になるはず!計算が苦手という方には、心からおすすめする。
ビジネスで差がつく計算力の鍛え方―――「アイツは数字に強い」と言われる34のテクニック
この本も非常におもしろい。邪道っぽさもあるが、こうした「数字でとらえる」力は、あとあと全体感を把握したいときに非常に役立つスキル。
教育の観点からは、この本もおすすめ。算数テクニックについては別途取り出してあり、そちらもおすすめ。
(中学受験テキスト 下剋上算数 基礎編――偏差値40から55への道)